【wordrobe】aile d’ore・美緒

見えないところにも、ドールらしい可愛さを

プロフィール
名前:aile d’ore(エルドール)/美緒

ドール用ランジェリーを中心に、ベビードール、ソックス、ストッキング、バニー衣装などを手がけるドールディーラー。約25年にわたるコスプレ衣装制作の経験を生かし、2016年から「aile d’ore」として活動。2017年よりドール向けアイテムの制作を本格化しました。

繊細なレースや素材選び、色移りへの配慮、そして「衣装を脱いだ姿まで可愛く」を大切に、1/6から1/3まで幅広いサイズのアイテムを一つひとつ制作しています。

普段は衣装の下に隠れている、小さなランジェリー。
けれど、着替えの途中にふと見えたとき――そこまで可愛くコーディネートされていたら、きっとその子のことがもっと好きになる。
そんな「見えないところの可愛さ」を形にしているのが、aile d’ore(エルドール)です。
約25年にわたるコスプレ衣装制作の経験からドールの世界へ。お客様から届いた「このサイズにも合う下着が欲しい」という声に応えるうちに、ランジェリーはいつしかaile d’oreを代表するアイテムになりました。
今回は、美緒さんのものづくりの原点から、素材や色移りへの細やかな配慮、そして広がり続けるaile d’oreのワードローブをご紹介します。

「作ること」がつないだ、aile d’oreのはじまり

約25年にわたり続けてきたコスプレ衣装制作から、ハンドメイド、そしてドールの世界へ。
最初からドール用ランジェリーを作ろうと考えていたわけではありません。
「これはドールにも使えますか?」
そんなひとつの出会いから、美緒さんのものづくりは少しずつ新しい方向へ動き始めました。

約25年のコスプレ衣装制作を経て、ドールの世界へ

美緒さんは、1991年から2018年までコスプレ活動を続けてきました。

途中、出産や育児による約2年間の休止期間を挟みながら、約25年にわたってコスプレ衣装を自作してきたといいます。

その経験を生かし、2016年の冬頃から「aile d’ore」の名でハンドメイドイベントへ参加するようになりました。

当時制作していたのは、ドール用の下着ではなく、人が身につけるための小さな「天使の翼」や、人間サイズの衣装でした。

あるイベントで、その翼を見たドールオーナーから、

「これはドールにも使えますか?」

と声をかけられたことが、ドールの世界へ入るひとつのきっかけになったそうです。

実際にドールへ翼をつけた姿を見せてもらい、SNSで紹介したところ、周囲のドールオーナーからも反応が寄せられました。

それまでドールは「可愛いけれど、少し遠い存在」だった美緒さん。

その後、友人の家でさまざまなサイズのドールに触れ、型紙作りのためにボディを借りるようになり、自分でもドールを迎えるようになります。

2017年の初夏、5月頃から本格的にドール向け商品の制作を始め、同年10月のドールショウで、ドールディーラーとして初出展しました。

現在では約70体のドールを所有し、そのうちTinyFoxは6体。 ご主人が運営するスタジオの一角を作業部屋として借り、日々制作を続けています。

スタジオ内の作業部屋はミシン4台(家庭用ミシン1台、職業用ミシン1台、ロックミシン2台)を使って作業しています。

「作ること」がつないだ、aile d’oreのはじまり

見えないところこそ、可愛く。ランジェリーへのこだわり

aile d’oreを代表するのは、繊細なレースやリボンを使ったドール用ランジェリー。
けれど、その可愛さの裏側には、「素体へ直接触れるもの」だからこその素材選びや色移り対策、着せやすさへの細かな工夫があります。
可愛いだけでは終わらせない。そこには、長く安心してドールと楽しむための、美緒さんならではの考え方があります。

「大きなお胸に合う下着が少ない」という声

ドール服制作を始めた当時、美緒さんの周囲では、1/4から1/3サイズのドール、特に大きなお胸に合う下着が少ないという声がありました。

美緒さん自身、人間用の衣装やインナーを制作した経験があり、ランジェリーのカタログや写真を見ることも好きだったといいます。

「こういう雰囲気をドールサイズに落とし込めたら、きっと可愛い」

そんな思いから、ドール用下着の制作が始まりました。

当初は、家事や育児をしながら、できる範囲で作ったものをイベントへ持っていき、見てもらえればよいという気持ちだったそうです。

しかし、実際に商品を出してみると、ブースには美緒さんの作品を目当てに訪れる人が現れました。

お客様から、「こういう下着が欲しい」「このサイズにも合うものが欲しい」という声を受け、その要望に応えながら商品を増やしていった結果、いつの間にか下着がaile d’oreの中心的なアイテムになっていました。

現在は下着だけでなく、それに合わせられるソックスやストッキング、カチューシャなどへも展開を広げています。

イベントでは、色や素材の異なる商品を含め、毎回十種類前後を用意することもあるそうです。

「見せる下着」としての可愛さ

ドール用インナーには、衣装の内側を保護する実用品としての役割があります。

一方、美緒さんが大切にしているのは、単に隠すための下着ではなく、衣装を脱がせたときにも可愛く見えることです。

繊細なレースやリボン、色の組み合わせによって、下着姿そのものをひとつのコーディネートとして楽しめるようにする。

普段は衣装の下に隠れていても、着替えの途中で目にしたときに、「そういえば、この子はこんなに可愛い下着を着ていたんだ」と思えるようなデザインを目指しています。※タップで最大化

色移りのリスクと向き合う

ドール用下着を作るうえで、避けて通れないのが色移りの問題です。

インナーは素体へ直接触れるため、通常の衣装以上に素材や色の選び方が重要になります。

美緒さんは、気温や湿度が高い季節には、なるべく濃い色を避け、白や淡い色を中心に商品を構成しています。

シックな濃色は、比較的気温が低い秋から春頃に取り入れるなど、季節によって色の展開も変えています。

色止めの工程では、少し熱めのお湯で素材を洗った後、色止め剤につけます。

その後、手洗いを行い、乾燥させてからアイロンをかけ、商品として封入します。

ただし、素材によって処理方法は異なります。

また、色移りは、気温、湿度、着用時間、保管環境によって結果が変わります。

制作時にチェックを行っていても、高温の場所で長時間密着させたり、着せたまま持ち歩いたりすれば、色移りの可能性を完全にはなくせません。

そのため、「絶対に色移りしない」とは考えず、リスクをできるだけ下げるための素材選びと処理を続けています。

薄さと扱いやすさを考えた素材選び
よく使用する素材(レースやピコゴム)は見えるところに並べて、ストックしている生地は光の当たらない部屋に置いてます。

最近、美緒さんが主に使用しているのは、チュールレースやシフォンレースなどの薄手素材です。

衣装の下へ着せても表側へ響きにくく、ドール用インナーらしい繊細さも表現できます。

綿素材にも素朴な可愛さがありますが、水やお湯につけたときの縮み方が生地によって異なります。

洗った後に想定以上に小さくなる可能性もあるため、現在は比較的形状変化の少ないレース素材を中心に選んでいるそうです。

また、ゴムは長期間伸ばした状態にすると、元へ戻りにくくなることがあります。

素材の特性を踏まえながら、着せたままにした場合の変化や、着脱のしやすさにも配慮しています。

小さいからこそ、着せやすく

ドール服は小さくなるほど、見た目の繊細さだけでなく、実際の着せやすさが重要です。

どれほど可愛い下着でも、着脱が難しく、着替えのたびに大きな負担がかかるようでは、次第に使われなくなってしまいます。

美緒さんは、なるべく簡単に着せたり脱がせたりできる構造を意識しています。

小さな留め具や細いストラップを使いながらも、オーナーが無理なく扱えること。

見た目の美しさと実用性を両立させることが、ドール用ランジェリーならではの難しさです。

街で見かけた色や形を、ドールサイズへ

デザインの着想は、過去に好きだった作品やランジェリーだけでなく、日常のさまざまな場所から得ています。

街を歩いているときに見かけた色の組み合わせや、人が身につけている服のディテールを見て、「この組み合わせは可愛い」「これをドールサイズにできないだろうか」と考えることも多いそうです。

ただし、人間用のデザインをそのまま縮小しても、ドール服として成立するとは限りません。

たくさんの紐や装飾があるデザインなら、どこまで要素を残し、どこを省略すれば小さなサイズでも美しく見えるのか。

元の魅力を失わず、ドールが着られる形へ再構成することも、美緒さんの制作の大切な工程です。

一人で作るからこそ。広がっていくaile d’oreの世界

下着から始まったaile d’oreの世界は、ソックスやストッキング、ベビードール、水着、パジャマ、そして人気のバニー衣装へ。
ひとつのアイテムから、また次の「この子に着せたい」が生まれていきます。
その一着一着を、美緒さんは今も自らの手で作っています。

一人で作るからこそ守れる品質

aile d’oreの商品は、デザインから縫製まで、基本的に美緒さんが一人で制作しています。

イベント当日は、ご主人とドールオーナーの友人にも手伝ってもらっているそうです。

誰かに制作を依頼すれば、より多くの商品を作れる可能性はあります。

しかし、自分の名前で販売する以上、仕上がりを把握し、不具合があった場合にも原因を確認できる状態にしておきたい。

同じ商品でも、最初から最後まで自分で作ることで、品質と責任を保っています。

イベント前後は制作や準備が集中するため、連絡や新しい案件への対応が難しくなる時期もあります。

その一方、イベントとイベントの間を活用しながら、新しい商品やコラボレーションにも取り組んでいます。

下着から広がった、aile d’oreの世界

下着から始まったaile d’oreのものづくりは、ソックスやストッキング、アクセサリー、そしてバニー衣装へと広がっています。

特にバニー衣装は、現在では美緒さんを代表するアイテムのひとつです。

一人のオーナーが同じドールのために複数色を購入したり、何体ものドールにそれぞれ違う色を選んだりすることもあります。

さらに、衣装に合わせた靴もすでに商品化されています。

3Dプリンターを扱うディーラーと相談しながら制作を進め、2026年7月のI・Doll東京から販売を開始しました。

「ひとつの商品を作ったら、それに合わせられるものを少しずつ増やしていく」

下着を中心に始まったaile d’oreの世界は、ドールのトータルコーディネートへと着実に広がっています。

地域によって変わる、ドールの楽しみ方

各地のイベントに参加してきた美緒さんは、地域によって人気のサイズやお客様の傾向が異なることも実感しています。

北海道では1/6サイズの反応がよく、女性オーナーが多い印象があったそうです。

大阪ではTinyFoxを含めたドールへの熱量が高く、広島では一般参加した際、小さいサイズのドールが特に人気だった印象を受けたといいます。

こうした違いは、実際にその地域へ足を運ばなければ分からないものです。

各地のオーナーの声を聞き、その場所で求められているものを知ることも、次の商品作りにつながっています。

これからも、「この子に着せたい」と思えるものを

コスプレ衣装の制作から始まり、ハンドメイドイベント、ドール用の翼、そしてランジェリーへ。

美緒さんのものづくりは、人との出会いや、お客様から寄せられた声によって少しずつ形を変えてきました。

家事や育児と両立しながら始めた活動も、今では多くのオーナーが新作を待つブランドへと成長しています。

小さな下着の中にあるのは、繊細な縫製技術だけではありません。

素材への配慮、着せやすさ、ドールを大切に扱うための工夫、そして「衣装を脱いだ姿まで可愛くしてあげたい」という思いです。

マミロワール・ワードローブでは今後、aile d’oreとともに、TinyFoxの新しいPEKO体に向けたインナー企画も進めていきます。

見えないところにも、その子らしい可愛さを。

美緒さんが生み出す新しいワードローブを、これからも追いかけていきます。

一人で作るからこそ。広がっていくaile d’oreの世界

aile d’ore COLLECTION

下着から始まったaile d’oreの世界は、ソックスやストッキング、ベビードール、水着、パジャマ、そして人気のバニー衣装へ。
ひとつのアイテムから、また次の「この子に着せたい」が生まれていきます。
その一着一着を、美緒さんは今も自らの手で作っています。

COLLECTION 01

星空水着

星柄のスタッズとラメがきらめく生地を使った、パレオ付きの水着。
ネイビーにはジョーゼット、ブルーにはオーガンジーを使用し、どちらも透け感のある生地だからこそ、水着本体にはしっかりと裏地を合わせています。
シルエットそのものはシンプルに。
その分、生地のきらめきや星のモチーフが映え、ドールに着せたときに「夏らしい可愛さ」が素直に伝わるデザインです。
海辺のイメージはもちろん、夏の室内撮影やリゾート風コーデにも。

  • 対応サイズ:1/4・1/3
  • 現在は販売終了/再販予定あり

COLLECTION 02

レース下着&ベビードール

aile d’oreを象徴する、レースを使ったランジェリーとベビードール。
使用するレースは、ドールサイズで見たときに柄が大きくなりすぎないよう、刺繍の細かさや模様のバランスまで考えて選ばれています。
1/6から1/3まで幅広いサイズを展開し、デザインや素材、色の組み合わせもさまざま。
特に夏は、色移りへの配慮から淡いカラーを中心に制作。涼しげな青系のランジェリーが多く登場するのも、この季節ならではです。
普段は衣装の下に隠れてしまうものだからこそ、脱がせたときまで可愛く。
aile d’oreらしさが最もよく伝わるコレクションです。

  • 対応サイズ:1/6・1/4・1/3
  • 参考価格:下着 2,000~4,000円/ベビードール 3,500~5,000円
  • 色・柄違いを定期的に制作

COLLECTION 03

パジャマ&ネグリジェ

お出かけの衣装だけが、ドールのワードローブではありません。
aile d’oreのパジャマとネグリジェは、「部屋着だけれど、ちゃんと可愛い」をテーマにしたコレクション。
パジャマには優しい風合いの綿素材を使い、リボンを多めにあしらって愛らしく。
ネグリジェには透け感の美しいオーガンジーを使用し、裾をフィッシュテールに仕立てることで、軽やかで少し特別な雰囲気に仕上げています。
夏に着せても重く見えないよう、生地はなるべく薄手のものをセレクト。
ベッドルームでの撮影や、くつろいでいるドールの日常を演出したくなるアイテムです。

  • 対応サイズ:1/6・1/4・1/3
  • 現在は一部販売終了/使用可能な生地で再販予定あり

aile d’ore COLLECTION